第二章「来る日も来る日も」
アリスの朝は「遅刻〜遅刻〜!」なんてベタには始まらない。
トーストを齧って通学路を走るヒロインは頭の弱い子だとアリスは考えている。
薄暑のさらりとした気候、庭の木々が新芽を我先にと天に伸ばす。
とりわけ、ブランネージュの小花を慎ましやかにアーチに這わせる蔓草が麗しい。
ロリーナのポタジェも、今朝の散水で、瑞々しく葉を広げ、濡れそぼっている。
種類の豊富なロリーナのポタジェは、通いの家政婦と庭師とで作ったものだ。
いつまでも眺めていたい、心休まる庭だが・・・
・・・その香気を胸いっぱい吸い込み、クラシカルな学生服に身を包むと気が引き締まる。
アリスは、場合により、隣のエース兄と共に、家を出る。
その姿は、我ながらまるで、世話焼き委員長キャラのようで、芸が無さは真に不愉快であるが、義務教育以前からの習慣ともなれば、実に枯れきった達観のようなものがそこにある。
何故そうやって毎日迎えに行かねばならないのか?
答えは、エース兄は幼い頃から、とてつもない方向音痴だからだ。これは不治の病である。しかも、他人を巻き込むことに関しては、生きた樹海のような存在で、アリスも小さなころは奇跡的な生還を何度も体感したのだ。
「全米が泣いた!奇跡と感動のストーリー!」
・・・そんな煽り文句の映画では、ちょっと泣けないような経験もした。
アリスは宗教にすがらなければならない程、人生経験が壮絶ではないが、エース兄との冒険から生還できているということは、もしかしたら神の庇護を受けているのかもしれない。
「・・・今日は居るかと思ったのに・・・別に期待なんかしてないからいいけど」
アリスはことにつけ「別にいいけど」を連呼する自覚が少しだけある。本当は良くないと思っていることを直視したくない。赦されるうちは、まだ、このままで居たいのだ。
エース兄の神がかり的な方向音痴だけならアリスも放置することができる程度には心理的成長を遂げた。しかし、時々喧嘩なんだか、少しボロッちくなって帰って来る。・・・無傷な癖にあの汚れっぷりは何なのだろう?
学生時代はともかく、研究所勤務になってからは、送迎はエース兄に頼まれない限りしていない。家に帰りつかない日が何日もあるようだ。単純に仕事が忙しいのかもしれないが、あのエース兄が仕事人間になるなんて、とアリスは少し驚嘆を隠せないでいる。
正直、心穏やかではない。
「・・・エース兄の馬鹿。・・・別にいいけど。ただの幼馴染なんだから・・・」
覚悟を決めてお世話焼きをしてみれば、このザマだ。アリスはイライラしながら、不愉快極まりない朝の一歩を踏み出した。
「あいつが居ないなんて役得だよね。兄弟」
「そうだね兄弟。時間外労働だけど、お姉さんとラブラブ登校だよ」
一緒に居るのはディーとダム。飛び級組みの同級生だ。彼らは、噂をしてはいけない有名人のカテゴリに属する人間である。
理由はいくつかあるが、身近なものだと「飛び級の拒否」という、前代未聞の所業で、アリスのクラスに居座っているというものがある。四大研究所に所属し、成果を挙げるのを代償に、特別研究生という妙な制度を利用して、何が面白いんだか、アリスの同級生で居てくれる。
級友の仲で、男女問わず、畏怖と同時に憧れを抱く人間は多い。大概がその黒い噂の影に公に支持はしないのだが。
そんな、ともすれば近寄り難い存在の二人であったが、いつだったか、通学時間帯にエース兄を自宅まで連れてきて、酷く疲れきったご様子を隠そうともしなかった。エース兄はお得意の爽やかなミント風味の笑顔に混ぜた毒々しい「口撃」を止めることなく追い討ちをかけまくっていた。その双子達の姿に、妙に親近感を覚え、そのままアリスが登校を一緒にしようと誘うと、拍子抜けした顔をして、そのまま付いて来たのである。あのエース兄相手に、大変だろうにと、アリスは心底連帯感を持ったのだ。
その双子相手に、エース兄が居ないとうっかりぼやいたら、次の日から玄関に可愛い笑顔が二つ待っていてくれるようになったのである。
「学校くらい、ひとりで行けるのに…」
そんな独り言を聞き逃す四つの耳ではなかった。
「駄目だよお姉さん!最近変質者が多いんだ!」
「そうそう兄弟の言うとおりだよお姉さん!」
トゥイードル=ディー=クローン
トゥイードル=ダム=クローン
名は体を表すというが、彼らは好んでより見分けが付かないようにし、入れ替わって楽しんでいるようだ。彼らの持つクローンという姓か氏族(クラン)名は、特に彼らが持つと、冗談でも悪辣だ。
「・・・私なんか、誰も狙わないわよ」
双子は黙って視線を交わす。何か思うところがあったらしい、口調に含みがある。
「僕達と居ても危険だけれど、僕達と居ないと危険だよ?」
「そうだよ、お姉さん。僕達の休日返上を無駄にする気?」
「今日は平日で、普通に登校すべき日だと思うのだけれど」
アリスに優等生を気取る気など、全くない。しかし、彼等が、教室にまともに居ることは珍しい。
今度は四つの目が真ん丸くなる。可愛らしさに、口許に笑みが浮かんでしまう。
「こんな天気だし、休憩をすべきじゃないか?兄弟」
「素晴らしい提案だね、兄弟。お姉さんもそうしたいと思っていると思うよ」
「…教室で授業を受けたいと思っているわ」
「えー」
「えー」
本心だ。この二人に合わせていたら、成績は地を這うことになるだろう。
お姉さんはわがままだね、兄弟。そうだね、勉強ごっこがどうしてもしたいなら、僕達とだけすればいいのにね。勉強ごっこといえば、兄弟。今度の研究テーマはどうする?この前のお風呂の玩具学が意外と好評で、学会を立ち上げようとか頭のおかしいお金持ちが媚を売りにきていたけれど。お金だけ巻き上げればいいんじゃないかな兄弟。流石だね兄弟、それから刃物による拷問の可能性について賃上げ交渉用に研究しようと思うんだけれど、馬鹿ウサギが人体実験の許可出さないんだ。清掃費用や、工作費用が大変だって。そうなのかい兄弟。じゃあ、ストライキか、休暇を取るか、労働者の権利を行使するのも大事じゃないかな・・・
・・・聞かなかったことにしよう。そうアリスが決心できる会話がだらっと続く。
「・・・当面の問題は、僕達に危機感を抱いていないってことだよね。兄弟」
「・・・そうだね。あいつと出くわさないうちに、何か策が必要だよね。兄弟」
「ん?なぁに?」
「・・・ううん。何でもない。お姉さん。僕達、本気だからね?」
「いくら、あんた達が優秀だからって、ちゃんと授業は受けなさいよ?」
双子達から、この晴天に似合わない、酸っぱいような塩辛いような視線が向けられる。
下校時になると、双子達は特別カリキュラムか、学校から出奔している。
アリスはこの馴れ合わない双子の気ままさが、とても気に入っていた。
そんな日が数日続いたある日、下校時にエース兄の研究所に顔を出してみた。
「別に、心配って訳じゃないんだけど、急に顔を見せなくなるのも不義理だし」
前回の「おしおき」以来、ちょっと懲りたアリスだが、会いたい人も他に居るしと理由をつけて重い腰を上げた。
「エース研究員は・・・あの…その…」
言いにくそうにする新顔の受付事務員。予想はついている。
「迷子であると思われます。入館ログはございますので、敷地内だと思いますが」
奥からベテランの研究所のスタッフが即答する。アリスは脱力と安堵をした。
「館内放送致しましょうか?」
恥ずかし過ぎる!アリスは保護者ではないし、エース兄共々社会的に心中する気はない。
「いえ!結構です。・・・その、見学に来ただけですから」
「左様でございますか。では・・・」
手馴れたスタッフが入館者IDを発行してくれた。あてどなく館内を見学するつもりが、早速、件の美人所長に捕まった。
この研究所の所長、ビバルディはアリスをとても気に入ってくれている。
「よう来た。よう来た。わらわと遊んでたもれ。さぁお茶にしよう」
アリスに向けられる声は八面玲瓏だが、研究所のスタッフの逆馬には首切りを持って応える。
とても、研究所内とは思えないような、ヴィクトリア様式にハートをあしらった内装の一室に通され、お茶と御菓子、ついでに報告書が運ばれてきた。
ビバルディは柳眉を逆立てた。仕事場なのに、お茶の席に仕事を持ち込まれたのが気に食わなかったのだろう。スタッフが声を震わせながら、恐れながらと口を開く。
「これは必ず、即時判断を仰ぐようにとのペーター様からのご指示です」
「・・・仕方ない」
明らかにほっとした様子のスタッフから、百科事典ほどの厚みがあるそれをぱらぱらと目を通す。・・・勿論、部下に持たせて、捲らせている・・・あれでビバルディは全て読んでいるのだ。
「・・・却下。この程度の研究者は首にしておしまい。・・・諸事はキングに任せてしまえ。わらわはこの子とお茶をするのに忙しい」
不機嫌そうに、部下に指示をして、さっさと追い出す。アリスとしては、哀れな研究者の末路には一抹の同情を覚えたが、そんなものは目の前の光景に、掻き消えた。ビバルディの優秀なスタッフはお茶のセッティングなぞとうに終わらせている。ビバルディはついでに人払いまでしてしまった。
テーブルフラワーは、水盆に惜しげもなく浮かべた薔薇の花。温室から切り出したのだろう。
お茶の香りを損なわないように、見目に麗しいが、香りのないものが選んであった。
手焼きのスコーンは、プレーンなものの他に、メープルシュガーを練りこんだものが用意され、クロッテッド・クリームに、マーマレード。ベリーのジャムにアリスが好きだと言ったからシャンティ(ホイップド・クリーム)も用意されている。
フィンガーサンドは、伝統的なキューカンバー。季節のフルーツサンド。
子供の手のサイズに焼いた白パンにスモークサーモンのサンドウィッチ風。
季節のフルーツタルトと稲妻菓子エクレア。色鮮やかなフルーツのジュレ。
紅茶は4種類。ビバルディが秘書に指示を出したのを聞く限り、今カップに入れて貰ったものの他にあと3種類用意されるようだ。どれも、この並べたお菓子に合わせてあるが、一種だけ、スモーキーな香りの紅茶を、アリスは鄭重に変更をお願いした。
「是非もない。もっと我儘を言っても構わぬ」
その指示を彼女がスタッフに出すと、閉花羞月と評するに相応しい美女と二人っきりになってしまった。
カップを置く音が響くような気がする。
「初めて来たときのようじゃの。不落居が手に取るようにわかる」
アリスは顔が赤らむのが分かった。この美貌の女帝に視線を絡め取られた。
思わず、膝に掛けたナプキンを、ぎゅっと握る。
ビバルディの研究所は、他の四大研究所と比較して、特徴を述べるとすれば、国家の歴史と政治学等が特に成果として高い。武力鎮圧も国際社会と国家に必要と平気で主張する。アリスが他に知るのは、マフィア資本で有名な、双子達が所属する研究所。
反倫理的で、シルクハットのような研究棟の形から、愛称をイカれ帽子屋という。あとは、ひたすら工学一本という、元は天文、時計職人の共同体から発生した職人気質な研究所・・・愛称はそのまま、時計塔と呼ばれている。
そして、経営と近代設備の研究所として有名で、実験施設に遊園地を併設する通称遊園地がこの研究都市に住まう人間なら誰でも知るの四大研究所だ。
本来なら、彼女は雲上人である。
「取って喰うわけではないよ、可愛い子」
くすくすとからかうように、話しつけられる。アリスは他にこんなろうたけた喋り方をする人物を他に知らない。他の人間なら、性格のよろしくないアリスとしては、悪意を込めて詰ったと思う。
「ビバルディ?」
「ああ佳きこと。その名は、この世界で未来永劫わらわのものじゃ」
そなたをちゃんと愛しむ気持ちはこのビバルディだけのものじゃ・・・
潤んだ瞳と切なさを滲ませた声で、そう言われるとぼうっとしてしまう。
静寂を突き破って、乱入者があらわれた。がばっと音がしそうな勢いで、そいつは抱きついてきた。
「アリス!」
「ペーター=ホワイト=クローン・・・」
「僕の名前を呼んでくれるなんて・・・嬉しいです!DNAから愛してくれているんですね!僕も愛しています・・・結婚しましょう!」
感極まった様子は白い兎耳がぴんと伸びていることから、よくわかる。隣席でビバルディが再び柳眉を逆立てる。
「・・・この!塩基配列からの変質者ぁ!」
プロポーズの答えは否である。エース兄に仕込まれたマーシャルアーツ。顎を狙って一突き。
当初は、その美しい顔に見惚れもしたのに、電波な思考を垂れ流すお口、兎のお耳やらが色々とお邪魔だ。
「阿呆め・・・」
ビバルディが、全くいただけないといった呈で、カップの紅茶を飲み干した。
「いいパンチです。アリス・・・。貴方の愛情表現は常に激しい・・・」
愉悦の表情さえ向けてくるペーターに、アリスはどうしようもない悪寒を感じた。
出遭った当初から「僕はオリジナルの頃、貴女に愛されて、僕も貴女を愛していました」なんてぶっ飛んだことを云って、アリスにまとわりついてきた、変人。
アリスはペーターを前にすると、常に困る。・・・何と言うか、顔だけは、本当に好みなのだ。
ただ、一緒に居ると心がざらっとする感じがする。
間合いを取る、そのスキに兎よろしくぴょんと立ち直る。
「報告に来た部下に聞いて、全てを投げ出して来ました!これは運命ですよね!」
自分で切り開いている運命で感激されても。
がばっと両腕を広げて、再度抱きついてくる。大振りなので、アリスにも簡単に避けることが出来たが、いかんせん相手はとても俊敏で、リーチも長い。
左、屈む、後ろへ飛びのく。体が温まっていない状態で、流石に息が上がった。
「わかった、恥ずかしいんですね、アリス。そんなに、顔を紅くして・・・はっ!もしかして病気ですか?」
「誰が病気だ誰がっ!」
天然挑発男の発言に聞き捨てならぬものがあり、言い返したアリスは噎せてしまった。
「ああ!アリス!死なないで下さい!貴女が居なくなったら・・・僕はっ!」
この兎耳男の中では死亡フラグが立ってしまったらしい。紅い目からぽろぽろと大粒の涙が落ちる。
実に絵になる。白いお耳が目に入らない程に、心がぐぐっと揺れる。
「・・・ホワイトよ。同席を赦した覚えはないのだが。・・・お前もな」
振り返ると、エース兄が目に入った。どこから入ってきたとか、いつ来たんだとか、誰も疑問に思わないらしい。
カトラリーの銀の反射も鮮やかに、ペーターに向かって投擲寸前の体勢だ。
「今日から俺の研究テーマに、シルバーで兎狩ができるかどうかを加えようかと思うんですよ」
「却下じゃ」
ビバルディはにべもない。しかし、冗談めかして続けた。
「重力制御装置を実装した、夢の『ぴー』を開発するのは良い。『ぴー』しか操縦できない仕様にしてみよ」
・・・いいんだ。
アリスは色々と物思うところがあった。
「この子の前で、ゆめ争うことなかれ。この子に危害が及んでもいかん。由々しき事態じゃ」
威厳ある物言いは、流石だ。アリスをそっと起こし、背を撫でる。姉とは違う、鼻腔を擽る香りに、呼吸が少し整った。
「・・・わらわはこのままお茶を続けても構わんが、そなたの顔色が余りよろしくない。時と場所を改めて仕切り直すか?」
アリスは、ビバルディの言葉にただ、頷くだけである。魅惑の美味を胃の中に収めず、テーブルの上に残していかなければならないのは未練だが、この状況でまともに味覚を感じることができるほど、アリスの精神は屈強にはできていなかった。
ビバルディが何事かを戻ってきたスタッフに言いつける。
「次もまた、わらわと遊んでたもれ。その約束じゃ」
アリスの髪に飾ったリボンを取り、スタッフから受け取った小さな薔薇の花を付けた枝二本で、器用にアリスの髪をまとめた。
「このくらいなら清楚でかわゆい。・・・ほんに男共は駄目じゃ」
質種となった、リボンにそっと口付けをする。
その仕種に、アリスは顔を赤らめてしまった。途端、発生する三者三様の漫ろ寒い気配をアリス以外の全員が無視をする。胃の腑がきゅっと焼きつくような思いだ。
ビバルディの秘書が、エース兄に大きな包みを渡す。
「・・・今日、この子と楽しむはずだった旨味じゃ。・・・エース、そなたに命ず。この子と共に無事家に送り届けるように」
「そんな!」
ペーターが異議を唱えるが、珍しく部屋に滑り込んで来た、副所長のハート=オブ=キング=クローンが悲哀に満ちた声をあげる。美しい髭を蓄え、一歩外に出れば、国賓級の扱いを受ける人物であるのに、ここでは、残念ながらその威厳ある姿を見ることができない。
「件の医療コンツェルンとの折衝について、私だけでは手が足りぬのだ。ビバルディがさっきひとり首にしてしまった」
ペーターは満足そうに頷いた。
「いい決断です。マイナーエマージェンシーと危機管理の新アプローチの件ですね」
そして、すぐ表情を変える。ペーターは不貞腐れたように白衣に手を突っ込んだ。白い耳がひょこっと揺れる。
「・・・仕方ありません。さっさと片付けて、後で様子を見に行くことにします」
切なげな表情を眼鏡の奥から覗かせる。アリスは心臓が跳ねるのを止められなかった。
そんなアリスをあっさりと置き去りにし、キングもそのまま踵を返した。
「さて、の。アリス、最近何かと物騒じゃ。不本意ではあろうが、こいつを供としておくれ」
わらわを安心させてたもれ。そう、微笑む彼女が唇の動きだけで、エース兄に何かを伝えた。
バルディが少し屈んで、アリスを優しく抱擁する。今度は明確に薔薇の香りがする。その香気に包まれると、大人の女性に対する憧れが体に満ちた。
「送り狼は赦さぬ。・・・が、ホワイトにこの子が害されるのも本意ではない。論外じゃ。だが、わらわはどうも、按排がよろしくない」
「・・・仰せのままに」
この人の命令なら従うんだ。
ビバルディが見てなければ、エース兄を殴ろうと思った。そんな実力はアリスには無いので、ぐっと拳を握り堪え、世界が濡ればむのを晦ました。
to be continued...
■寄稿の再録■
再録も面倒なくらいボリュームありますね…
読んで下さるような女神、いらっしゃるのだろうかー
この再録作業が大いなる無駄のような気がしてきた…
Faceless@MementMori 03/04/2010